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クレジット市場について、2005

デフォルト確率の算出やクレジットメトリクスの作り方は知っているのに、クレジット市場の現状を知らなかったのでフォローしてみたいと思います。外資の面接も終盤に向かう人が多いので、そろそろこういった知識をupしていきます。というのも、グループ面接の前に雑談でこぼした内容を面接でパクられるというビックリな出来事があったからです。幸い、途中でボロが出たのが僕的(面接官が数理系ならすぐわかるはず)に明確だったので助かりましたが、後味の悪い面接でした。とまぁ愚痴はおいといてと。

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2005年全体としては、一部の時期を除いてCDSスプレッドは低位で推移したといえるでしょう。要因は大きく3つありまして、クレジット市場について、2005_e0046070_1195642.jpg

1.企業の堅調な収益や財務内容改善
2.投資家の利回り追求の動き
3.銀行の貸出姿勢の積極化

がその3つです。

①に関して、大きな流れとして間接金融→直接金融がありますが、財務的にいえば、自己資本比率の低下が進んでいます。特に、景気回復でお金が出来たのを借金返済等に回してその傾向が顕著になってきました。この傾向はここに詳しいです。


②長期金利が幾分上昇したとはいえ、総じて低水準にあることが基本的背景となってます。これはクレジット商品に限ったことではなくて、外貨資産に投資する投信などの増加もその表れでしょう。

③銀行が沢山貸すのは金余りだからですが、クレジット市場において銀行が信用リスクの供給手として主要な位置を占めていることが大きいです。イギリスでは銀行が信用リスクの51%を供給しているという調査もあります。

2006年以降、①③は若干薄れるのかなぁと思っています。①に関しては、景気回復が堅調になり企業も積極的に設備投資をしてきており、負債を若干増やす方向にあるのでクレジット・スプレッドがワイドニングする可能性は高まると考えています。③に関して、量的緩和解除→ゼロ金利解除の流れが濃厚になっており、引き締め傾向にあるので銀行貸出は設備投資動向がひと段落すると減少するのではないかということです。

②に関しては、複数の投資家動向を踏まえて話をしないといけません。基本的に、信用リスクを取るのは、ローン、社債、クレジットデリバティブがあるという話を以前しました。と書いていたらちょうどいいレポートを見つけたので、読んでから書いてみたいと思います。

クレジット市場について、2005_e0046070_1202786.jpg
ということで、クレジット市場の投資家動向は宿題です。後、まとめてみたいと思っているのが金利の期間構造の話。平均回帰とか対数とかを利用した、多くのモデルがあるのですが、今の日本の金利構造は極めて特殊(コールオプションをロングしているときの図に似ています)なので、平均回帰モデルだと金利が負になり、ボラティリティが金利水準に依存するモデルだと短期金利の値が極めて小さくなってしまう欠陥があります。Gorovoi, V., and V. Linetsky[2004]は金利ボラティリティが小さくなり過ぎることを避けるとともに、、金利が負値を取る場合は金利をゼロとみなすというモデルを構築し、同モデルによって、わが国の金利の期間構造が説明可能であることを報告しています。

データは取れるはずなので、金利のイールドカーブを書いた上でモデルを構築する手順をたどてみたいのだが・・・、数式打って一々画像にして貼り付けるのは死ぬほど面倒なのでyahooのブリースケースにLATEXで作ったレジュメを載せたほうが早いが、それも労働コストが高い。どの道、就職先が決まってからですね。

おやすみなさい☆
(写真は今日のお昼ご飯と、晩御飯@六本木ヒルズです。昼はオリバーツイストを鑑賞。来週はミュンヘンを見よう♪)

by tsuyoshi_829 | 2006-02-09 01:41  

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