企業金融入門

最適資本構成というのに興味を持って勉強しています。e0046070_0324910.jpg

一番最初に出たのは、モジリアーニ・ミラーのMM命題
・完備資本市場(状態数=市場で利用可能な証券数)
・法人税なし
・対称情報
・取引コストなし
・企業収益が外生的に与えられる
という仮定の下で、企業価値は資本構成に依存しないという話です。この話を理解するために、企業A,Bを使って話をするケースが多いようです。Aは株式調達のみ、Bは株式と負債の両方で調達、どちらも毎期Xのキャッシュフローが発生するとします。このときに、A,Bに投資する主体が得られる配当を資本コストで割り引いてやると企業価値が同じであることを示すことが出来ます。最終的には裁定取引の有無で証明します。

実際には、会社の利益に法人税がかかり、デフォルトリスクに従ったプレミアムが付くので、企業価値は資本構成にある程度依存します。この2点だけ考えれば、

負債比率を増加させた場合の節税効果によるWACC資本コストの限界的な低下部分

負債比率を増加させた場合のリスクプレミアムの限界的上昇


となるような負債比率(負債/自己資本+負債)が最適負債比率となります。

しかし、これだけでは実際の企業の資本構成を説明できません。これを踏まえて研究が進んでいますが、以下の3つが有名です。

①エージェンシー・コスト
株主と経営者、株主と債権保有者、の情報の非対称に起因するコストが資本構成に影響を与えます。たとえば、一般的に株主と経営者は依頼人と代理人の関係にあり、代理人である経営者は必ずしも株主の利益のためにではなく、自らの利益のために行動する可能性があります。これは株主が経営者の行動を完全には把握できないという情報の非対称性に起因するものです。こうしたコストを、ストックオプションを使って株主と経営者の利害を調整したりしているのが現状です。債権保有者の場合は、コベナンツでしょうか。

②ペッキング・オーダー仮説
ペッキング・オーダー(pecking order)とは、これらの調達手段の利用に当たって、企業は優先度を予め決めていて、その優先度に従って各調達手段を利用可能額一杯まで利用し、それでも資金が不足する場合には、次の順番の調達手段を利用することをさします。Myers and Majufの研究によると、内部留保、負債、増資の順に優先度をつけているようです。

③マーケット・タイミング仮説
最適資本構成の理論に従うと、株価上場時に負債比率が下がり、企業は最適資本構成を目指して負債を増やすか、自己株式を買い入れするはずです。しかし、実際の企業は株価が高いときに増資を行ったり、低いときに自社株の買い入れをします。このような株価の高低を利した機会主義的な行動をマーケット・タイミングと呼んでいます。Baker nad Wurgler(2002)に詳しいです。e0046070_030589.jpg
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by tsuyoshi_829 | 2006-04-04 16:47  

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