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洞察力

を自分で検証したいのだけど、これを様々な分野でやると極端に時間がかかる。さて、どうしようか。


今日は企業金融の独学。MM理論の3つの無関連命題を証明し、法人税と倒産コストを考慮したトレードオフをシミュレーションする。相変わらず、エクセルの乱数は性能がよくない。続いて、エージェンシーコストに入り、フリーキャシュフロー問題において一定の条件を満たしたときのみ負債が有効であることを示す。続いて、株主と債権者の利害対立を2つに分けて、それぞれ負債が増えるほどコストが上昇することを考察する。これは、収益分配においても株主は債権者に対して劣後することに起因する。証明することとその結論が見えていると、先行研究より簡略化した形で証明できるのは今に生きることの利点だろうか。さて、ここまでで頭に浮かんだ疑問を残しておこう。

・企業が生み出したEBITが政府、債権者、株主に配分されることを前提にしているケースが多いが、日本の企業を考えると、将来への貯金なのか企業に内部資金としてプールしていることが多い。この点を勘案しても、デット・オーバーハングや資産代替の証明には差し支えないのだろうか?

・経営者と株主の利益相反の結果生じるフリーキャッシュフロー問題以外、で経営者は既存株主の利益を最大化するよう動くとしている。マーケット・タイミング理論は既存株主の利益のために、企業が簿価に対して割高に評価されているときに機会主義的に新規株主から富を搾取している。個人的に「既存株主と新規株主の利益の最大化」としてもらったほうが、しっくりくるのだが、このアイデアは的外れなのだろうか?新規ってところが定義しにくいのかなぁとも思うのだが。

・日本語の企業金融の文献がほとんどないことに危機感を感じる。勘違いならいいのだが・・・

・資本構成の研究では、負債比率をよく用いるのだが、ワラントとかDebtとEquityの間にあるような商品が実は資本構成に多大な影響を与えていたとするならば、そのバイアスを排除しない限り実証研究のほとんどが不毛になりうるのでは??


さて、残りタスク3つ。明日は9時からゼミなので4時までには寝たい今日この頃。
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by tsuyoshi_829 | 2006-05-31 23:45  

企業金融入門2

前回、http://kktsuyoshi.exblog.jp/m2006-04-01/#3149439にて、MM命題と、法人税と倒産コストを考慮した場合のtrade-off理論を簡単に紹介しました。MM命題とは、3つの無関連性命題からなり、

1.資本構成の無関連性(資本構成のみ異なる企業は企業価値が等しい)
2.資金調達手段の無関連性(新株発行、負債、内部留保、どれでも資本コストは等しい)
3.配当政策の無関連性(配当しても、現在の株価や企業価値に影響を与えない)

上記のようになっています。法人税と倒産コストを考慮すると、前回太字で書いたようなトレードオフにより資本構成が決定されます。とはいえ、2点を勘案しても、情報の完全性は成立しています。今回ご紹介したいのは、情報の不完全性と資本構成の関わりです。不完全性とは、市場参加者により想定される確率分布がそれぞれ異なっている状態を指します。こうした状況下、企業は市場参加者より情報優位な立場になります。さらに、いつの時点で企業が情報優位になるかによって、情報の不完全性の問題は2つに分けられます。

情報の不完全性と資本構成について、簡単に図にしました(以下のとおり)。
e0046070_22422518.gif


次回から、一つずつでもいいのでご紹介できたらと思います。

そういえば、シグナルの部分なんかは1回生の頃勉強していたゲーム理論とも関連が深いので、「経済学のためのゲーム理論入門」を取り出して復習してみることにします。先週、当時お世話になっていた先生に2年ぶりにお会いし近況報告をしましたが、お元気そうでなにより。自分が大学に入ってもう3年も経つのだなぁと実感した一日でした。

今日、犬の散歩の前に買物に出かけた時、自動車に当たられました(><)自転車で右側通っているときは横から出てくる車に気をつけないと・・・
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by tsuyoshi_829 | 2006-05-28 23:01  

証券化 続編

暇なので、調べてみました。昔、一回調べたのはここです。

▼不動産証券化の現状
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/03/030610_2_.htmle0046070_031681.gif

▼証券化商品引き受けランキング(一部)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003013&refer=jp_us&sid=aw5tjYlWH9xI

▼消費者金融ローン証券化商品格付けについて
http://www.jcr.co.jp/abs/pdfr/syouhi.pdf

▼住宅ローン:標準期限前償還(Prepayment Standard Japan)モデル
http://www.jsda.or.jp/html/syoukenka/psj/torikumi.html

・モデルのガイドブック
http://www.jsda.or.jp/html/syoukenka/psj/guide.pdf

・住宅ローン証券化における時価評価方法について(日本銀行)
http://www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/wps/wp06j10.htm

・住宅ローン債権担保証券のプライシング手法について
http://www.imes.boj.or.jp/japanese/kinyu/2005/yoyaku/kk24-b2-2.html

住宅ローン標準モデルの趣旨は以下の通りですが、

今般、本協会では、MBS(Mortgage Backed Securities)市場において、最初に整備すべき市場インフラとして、MBSの期限前償還に関する市場参加者共通の尺度としての標準期限前償還(Prepayment Standard Japan)モデル(以下、略称である「PSJモデル」という。)の導入及びPSJモデルの普及・利用促進に向けた取組みを実施することとする。

売買の目安を作って流動性を向上させようとしているのかと解釈しています。証券化商品市場の流動性の低さは昔から問題視?されていて、ようは、オリジネーターが情報開示しないので転売しにくいという話でした。5年前の国土庁の資料の4章においても流動性の重要性が指摘されています。正直、標準モデルを紹介することで市場インフラの育成に一役買った部分がありつつも流動性向上には結びつきにくいと感じています。情報開示に関しては、日本銀行が調査をしていまして、

証券化市場の動向調査
http://www.boj.or.jp/theme/credit/dk/index.htm

証券化市場フォーラム報告書(118ページ)
http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji/kako03/mpo0404c.pdf

にて情報開示フォーマットを作って微力ながら証券化市場に寄与していると思われます。米国などは発行市場もさることながら、流通市場の発達にビックリした記憶があります。外資系の面接で、ABSのトレーダーとかモーゲージのトレーダーなんてあるんや~ときょとんとしていました。

基本的には発展を望むスタンスですが、リスク管理上、証券化商品が流通していると、誰がどのくらいリスク持っているのかわからないので扱いはすごく大変になるんじゃないかと危惧しているのも事実です。特に、信用リスクにおけるCDO市場の発展は注意して見守る必要があると思います。

最近、金融や企業に関連する法律(商法?民法?)に対する勉強意欲が日に日に高まっていますが、どうしていいかわからずちょっと困ってます。どうしようかな・・・


おやすみなさい☆
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by tsuyoshi_829 | 2006-05-26 00:31  

眠いっす

■アイフル業務停止の影響
・4/14~4/30の前年度と比較した新規顧客獲得6割減少
・保障業務で提携している地銀の対応、6割が積極的販売をやめ4割が完全停止。
「貸出金利20%以下の顧客への優遇金利商品の販売を進めたい。上限金利が利息制限法の水準になると現在の顧客の半分以上に融資不可能とみている。」

決算発表の記者会見より。

■みずほ小型店舗戦略
住宅地とか、都心オフィス街とか、駅や商業施設内で常駐行員10人程度、貸借物件の小型オフィスを展開するらしいです。主要顧客層と注力分野を設定して対応するそうです。きめ細やかなサービスが必要とかありますが、代理店じゃだめなんですかね、後、入り口に「六本木ヒルズ店は富裕層の方のための小型店舗です☆」とか書いてないとわからないですね。ちなみにヒルズでは、平日営業時間が11~19時となっているようです。


■ゼネコンの利益不透明
国内開発案件に乏しく、海外シフトしているものの少なく、談合規制の強化でゼネコンの収益率向上が不透明であるという話です。公共事業から海外事業と書いてあったので訂正しますが、海外事業のほとんどは政府が介入している案件であって、結局公共事業です。海外の与信リスクとか思った以上に高くて、法制度の確立もさることながら「夜逃げ」とかいう裏技まで平気で飛び出すのは商社の方なら詳しいのではないでしょうか。最近、日本企業のベトナム進出を受けて、三菱UFJが売掛金回収リスクでビジネスをやっています。中小企業相手の売掛金の流動化ならフィデックが有名でしょう。横道にそれましたが、要は日本でも海外でも造っているだけのゼネコンは不要で、先進国はもちろん途上国の援助の世界でも話題はメンテナンス。結構チャンスあると思うし、ソフトサービス進出するよりゼネコンのノウハウを活かせると感じているのですが、どうでしょうか。
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by tsuyoshi_829 | 2006-05-25 00:21  

一晩限りの企業戦略

さっさと学生引退して、奴隷の様に働きたい毎日です。

さて、図書館から本を借りて企業戦略論を5時間ほど勉強したので、備忘録用にまとめます。なお、表題にあるように、あまり魅力的な内容でなかったので、一晩限りです。journal of financeを読んでいるほうが興奮するので(苦笑)。騙されない程度に勉強して、後は働きながら考えることにします。

journal of finance:http://www.afajof.org/

今日のお題はSWOT分析です。企業の競争戦略が競争優位の源泉になるために、右図の4つの要素を考慮することが必要条件になっており、こうした企業の経営をめぐる内外の条件を総合して、SWOTと呼ぶようです。4つの詳細は以下のとおりです。e0046070_2314677.gif

S:企業の内部条件としての強み(strengh)
W:企業の内部条件としての弱み(weaknesses)
O:企業の外部条件としての競争市場における機会(opportunities)
T:企業の外部条件としての競争市場における脅威(threats)


このSWOTというのは、企業戦略が考慮すべき4要素の重要性を示唆するにとどまり、企業が自社にとっての4要素を考える基準や方法を教えてくれるものではないです。ということで、これから、4要素をどうやって考えていくか書いて見たいと思います。

------------------

T:外部環境における脅威・・・企業が標準を上回る利益を維持したり創出したりする能力は、業界構造の5つの属性により脅威にさらされる。by マイケル・ポーター
(図は、http://www5b.biglobe.ne.jp/~honyaku/strategyoya.html)


新規参入の脅威:新規参入者が既存企業のパフォーマンスにとって、どの程度脅威となるかを新規参入コストで考え、新規参入コストに重要な影響を与えるのがこの5つ(規模の経済、製品差別化、規模に無関係なコスト優位性、意図的抑止、政府による参入規制)ならば、新規参入の脅威に関してはこの5つを考えればよいでしょう。

競合の脅威が大きい業界の特徴
1.競合企業が多数存在する
2.それぞれの競合企業が同規模で、市場への影響力も同程度
3.業界の市場成長率が低い
4.製品差別化が難しい
5.生産能力の増強単位が大きい
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供給者の脅威を示す指標
1.供給者の業界が少数の企業で支配されている
2.供給者の販売する製品がユニーク、あるいは高度に差別化されている
3.供給者が代替の脅威にさらされていない
4.供給者が前方へ垂直統合するおそれがある
5.供給者にとって自社が重要な顧客ではない

購入者の脅威を示す指標
1.自社の購入者が少数しかいない
2.自社から購入者に販売される製品は標準的
3.販売価格が購入者の最終コストの大きな割合を占める
4.購入者が高い経済的利益を得ていない
5.購入者が後方垂直統合をするおそれがある

------------------

O:外部環境に存在する機会の分類のひとつに、業界構造に付随する機会を検証する方法があるので以下に列挙します。

市場分散型業界・・・集約・統合(新しい規模の経済の発見、所有構造を転換)
新興業界・・・先行者優位(技術的リーダーシップ、戦略的価値ある経営資源の先制確保、スイッチングコストの確立)
成熟業界・・・製品改良(サービス品質への投資、プロセス革新)
衰退業界・・・リーダーシップ戦略(ニッチ戦略、収穫戦略、撤退戦略)
国際業界・・・マルチナショナル、トランスナショナル、グローバルな機会

------------------
S:強み
W:弱み
分析手法(壱)・・・リソース・ベースト・ビュー

リソース・ベースト・ビューの仮定Ⅰ(経営資源の異質性)
「企業は生産資源の集合体であり、個別企業ごとにそれらの生産資源は異なっている。」

リソース・ベースト・ビューの仮定Ⅱ(経営資源の固着性)
「経営資源の中にはその複製コストが非常に大きかったり、その供給が非弾力的なものがある。」

従って、仮に、①ある経営資源を保有していることにより、経営の外部環境に存在する機会を活用し、②その経営資源を保有する企業数が少なく、③その経営資源の複製コストが非常に高いか供給が非弾力的である場合、その経営資源は企業の競争優位の潜在的源泉と成り得る。

経営資源の種類・・・人、もの、金、組織

この中を分析して、強いか弱いかマッピングするのですが、分析するフレームワークがあります。これに○×をつけて、切り分けていくようでうす。分析の際に使う問いの頭文字を取って、VRIOフレームワークと名づけられています。

VRIOフレームワークの4つの問い
(企業の内部資源が持続的競争優位の源泉となるかどうかの問い)
V : Value (経済価値)
経営資源は、企業が外部環境における脅威や機会に適応することを可能にするか?
R : Rarity (稀少性)
その経営資源を現在管理しているのは、少数の企業だけだろうか?
I : Imitability (模倣困難性)
その経営資源を保有していない企業は、獲得あるいは開発するのにコスト上の不利に直面するか?
O : Organization(組織)
企業が保有する、価値があり希少で模倣コストの大きい経営資源活用のための組織的方針や手続きが整っているか?

上記の方法でyes or no で考えることもできますが、分析方法(弐)バリューチェーン分析でステージごとに分析するともっとすっきりしてきます。以下に三菱商事の食品バリューチェーンを載せます。
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と、ここまで長々と書いてきましたが、今ひとつしっくり来ないのは僕の頭が極めて鈍いのが原因でしょう。局所局所で考えて、議論して小さな範囲で最適解を考えることは可能なのかもしれませんが、topの視点でやるとこんがらがってしまうと思います。中途半端に使うと言い訳の道具になりかねないので注意が必要です。最初は、ビジネスニュースを疑う道具として使っていこうかと考えています。


一晩限りと書いたものの、勉強しなきゃいけないことは山のようにあります。嬉しい限りです。

それでは、おやすみなさい☆


参考文献:企業戦略論(上)  ジェイ・B・バーニー (著), 岡田 正大 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/447837452X/249-8201444-2740341?v=glance&n=465392
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by tsuyoshi_829 | 2006-05-22 00:41  

消費者金融

自動車の教習所で運転しながら考えてました。
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★消費者金融って、価値観とか感情ばっかで話が進むなぁ・・・。
証券化して資金調達するくらい評判が悪く、TVをつけると必ず悪徳業者やヤクザが出てきます。しかし、個人的には、金融庁や弁護士なんかにも責任があると考えています。消費者金融の資金調達コストや貸出規模を無視して、貸出から回収までを考えて、借りる人の行動を以下に書いてみると、

①     借りて、期日どおりに返す。
②     借りて、期日どおりに返せない。
恐らく、②のほうが多くて、
②-1  別の(実はつながってる?)消費者金融から借りて、返すけど借金が増える(以下繰り返し)。
②-2  返せないので、連帯保証人に返していただく。
②-3  自己破産する。

(返すのは、担保による返済も含む)



今考えているのは、借りる人のタイプをいくつかに分けて効用関数を設定して(恐らくここが一番難しい、帰納法的に処理するしかないんかなぁ。)、合理的借り入れ戦略を提示した上で、合理的借り入れを前提とした消費者金融会社の行動選択を表現したいということです。消費者金融会社も大手から、借り換えから登場する中小のヤミ金まで各種あると思うのですが、研究論文を調べてみると、全体的な流れに終始しているか、アンケート分析に終始しているケースがほとんどです(違ってたら申し訳ないです)。確かに、アンケート自体も取りにくいし、①や②の統計になると、消費者金融会社の協力が不可欠であるので極めて難しいのですが、考察に値する対象であると考えています。

日本において、消費者金融とは悪いイメージしかないのですが、開発経済なんかを勉強していると、貧困層のエンパワーメントの一環として機能しているマイクロ・ファイナンスは対象が個人であるという意味では同じであるといえます。もちろん、目的等が異なるので同じ土俵で議論すべきであるとは思えません。マイクロ・ファイナンスの有名な例として、バングラディッシュのグラミン銀行があります。


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グラミン銀行:
http://www.grameen.com/
ムハマド・ユヌスさんの紹介:
http://www.nikkei.co.jp/hensei/asia2004/asia/prize_jusyo.html

移民の送金ビジネスですが、日本人が活躍しているマイクロ・ファイナンスの例もあります。

マイクロファイナンス・インターナショナル:
http://www.mfi-corp.com/mficw/index.php
枋迫篤昌さんのインタビュー:
http://www.jcaw.org/news/story/2004/200412/tochisako.html
枋迫篤昌さんの紹介文章:
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/tamura/20040730n177u000_30.html

こうした、マイクロファイナンス含め海外の事例から学ぶことは多いような気がします。当然、個人の破綻制度含め背景を前もって比較しておく必要があるのは事実です。

破綻制度といえば、企業再生であったり、最近だと地方自治体の破綻制度が話題に上がるようになって、地方債のクレジットスプレッドが動いていますが、ここいらで個人の破綻制度を勉強してみようかなぁと思っています。自己破綻請求件数は右図の通りです。

見てる皆さんで詳しい方がいらっしゃったら、教えていただけると恐縮です。
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by tsuyoshi_829 | 2006-05-21 02:11  

ABSのスワップスプレッドについて

前置き
e0046070_136358.jpgスワップ・スプレッド=ABSの最終利回り-金利スワップレート

と定義したとき、スプレッドにばらつきがあることが実証的に明らかであるのだが、スプレッドの銘柄間格差はオリジネーターや裏づけ資産の差だけでなく、オリジネーターによる劣後引き受けがオリジネーターと投資家の間の情報非対称性を解消している度合いに依存している。特に、裏付け資産の信用リスクをカバーする以上に劣後を引き受けることによってオリジネーターは、スワップ・スプレッドを縮小させるとともに、発行時のマーケット・インパクトを緩和することができる。

以下の文章によると、スプレッドについて、基本的には、銘柄間のスプレッドのばらつきはないはずである。

-----------
格付け機関は,①法的な倒産隔離によってオリジネーターの信用リスクが完全に遮断され,②オリジネーターによって引き受けられる劣後部分が裏付け資産の信用リスクを完全に吸収していることを確認した上でAAA 格を当該ABS に付与している.したがって,もしAAA 格のABS が厳格な倒産隔離と十分な劣後引受という2要件を満たしている場合には,オリジネーター自身の信用リスクや裏付け資産の信用リスクの銘柄間の格差がAAA 格ABS のスワップ・スプレッドの銘柄間のばらつきをもたらさないことになる.
-----------

これを踏まえると、残りのリスクとして、流動性プレミアムと裏付け資産に含まれるプリペイメント・リスクがばらつきの原因として考えられるが、

前者は横断的で、個別間に大きな差があるとは考えにくい。もちろん、ABS市場の流動性はきわめて低いので、流動性を考えることは重要である。後者について、個別に異なると思われがちであるが、ABSの満期は短く、中・短期債であり、住宅ローンの証券化商品のようにプリペイメント・リスクが重要視されにくい。しかし、今後金利の上昇局面に入り、金利のボラティリティが上昇するとこのリスクが顕在化する恐れがある。

ということで、オリジネーターと投資家の情報の非対称性に着目して分析を行った。

分析
オリジネーターによる劣後引受を,裏付け資産の信用リスクを吸収するのに必要となる部分(以下では,必要信用補完額と呼ぶ)と,必要信用補完額を越える部分(以下では,超過劣後と呼ぶ)に分けて,後者の超過劣後引き受けがスワップ・スプレッドに与える影響を検証していく。

結果
オリジネーターによる超過劣後の引き受けが高まるほど,AAA 格ABS のスワップ・スプレッドは小さくなる傾向が認められる.超過劣後比率とスワップ・スプレッドの負の相関にあるというファインディングは非常に頑健である.超過劣後部分が十分に大きいサンプルにおいても,超過劣後比率とスワップ・スプレッドに負の関係が認められることから,裏付け資産の信用リスクの残余がスワップ・スプレッドに反映していると考えにくい.さらに,超過劣後比率の標本平均周り4 分の3 のサンプルにおいては,超過劣後比率の上昇が発行時のマーケット・インパクトを緩和する傾向も認められる.

考察
第1 に,いくつかの実証結果からは,オリジネーターや裏付資産の信用リスク制御がいぜんとして完全には機能していないことが示唆されている.
第2 に,本研究の実証結果では,オリジネーターの劣後引受は単なる信用補完ではなく,必要信用補完を超過する劣後引受がオリジネーターの私的情報に起因する逆選択問題を緩和する機能を持つことが示されている.


参考文献:
ABS 発行市場における劣後引受の役割(2006)
証券化商品の格付けについて(JCR資料)
http://www.jcr.co.jp/abs/absnew.htm
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by tsuyoshi_829 | 2006-05-18 01:21  

特にネタはないのですが、

採算は取れないものの、人間が基本的に生活していくうえで欠かせないモノ、の存在意義をどうやって組み立てて主張すればいいのだろうかと考えています。

例えば、貧困削減、安全保障、政治、農業、スポーツ等。

問題を換言すると、政府が上記の分野に介入する意義を問い直しているということです。

基本的な流れとして、昔と比較して、皆多様な人生を過ごしており、一律的に場合分けして対応できるような社会ではありません。

どう定義して対応策を策定するかということは極めて重要でありながら、昨今においては、中身の伴った議論を見かけません。

PPPのような、官民協調の流れが加速化する今だからこそ、その線引きを明確にする必要があり、明確な線引きから新たな協調の流れが生まれるのだと確信しています。従って、自分のかかわった分野or自身の生活にかかわる分野においては、その意義と役割分担を再考しなきゃいけないんだと感じています。

卒業までの宿題のうちの一つです。
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by tsuyoshi_829 | 2006-05-17 01:23  

カバン買いました☆

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ポップな感じで、デザインが気に入ったのと、容量が大きく本やら論文やらを詰めやすいと思って買いました。前回のカバンは5年くらい使ったので、今回も大事に使っていければと思います(画像は外部にて)。センスがいいのは、彼女に選んでもらったからです。

★三位一体の改革について、
http://www.bunken.nga.gr.jp/index.html
にある、地方分権二十一世紀ビジョン懇談会の中間とりまとめでは、目指すべき方向として地方債の一部自由化を明記。信用力に応じた格付けや、国による償還保障の撤廃などを盛り込みました。結果、自治体による信用格差が広がることが明白となり、クレジット・デリバティブ市場で地方債の取引が活発化しています。これまでは、発行を厳しく制限する代わりに、保障をつけて低利調達が可能な仕組みを作ってきました。総務省での警戒として、財政力の弱い自治体が公共事業のための起債ができなくなる可能性があるという話もあるようですが、地方債の市場メカニズムの組み込みが進んだとみて間違いないでしょう。

話がそれますが、調べて不思議に思ったのが、財政再建団体の基準が、一年間の資金収支だけを考慮しており、自治体のストックや外郭団体の負債をほとんど無視していることです。この点に関して、透明性の高い財政指標の開発を進めるとあります。結構、適当だったのだと今更認識しました。後は、地方債の共同発行、地方財政に住民の監視を取り入れると同時に負担も求める仕組み、が上手くいくのかどうかは不透明なところが多いと思います。

★イールド、長期がすごい上がって来てますね。以下に書くとおり来週はイベントが目白押しなので注目です。ブルームバーグから目が離せません。
15日には福井俊彦日銀総裁の講演、16日には5年債の入札、週末の18、19日には日銀金融政策決定会合が予定されている。  
早期利上げ観測がくすぶっているだけに、15日の福井総裁の講演に市場参加者の関心が集中している。


★最近、金融工学をわかりやすく説明することの難しさを痛感してます。前提知識がばらばらなので、どこまで前提にしていいのか線引きが難しいのと、簡単なところ(最低の前提ライン)から本質まで踏み込むプロセスでどこまで数学的議論を駆使してよいのかという点で難しいです。もっと工夫の余地がありそうです。次週も機会があるので、意識してやり方を試してみます。
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by tsuyoshi_829 | 2006-05-13 03:06  

ゼミについて、

論文ゼミ、今日は僕の担当ではなかったので、のんびり過ごせました。こうして、他のゼミ生の研究テーマを聞いていると、金融工学の対象の広さを感じます。研究開発の単独調達か共同調達は調べてくる約束をしたので、ちょっと調べないとなぁ。個人的には、金利のイミュニゼーション戦略がホットなんだが、イールドについていくモデルであるほど流動性を意識しなければいけないので、この辺りがトレードオフになるんじゃないかなぁと思っています。

個人的に、考えなきゃいけない問題が一つ浮上してまして、
「IPO企業の次なるステージ~2ndエクイティ・ファイナンス」
負債比率の最適ターゲットとそのプロセスをストーリー立てて説明しなければいけません。ごまかす方法はいくらでもあるんだけど、これだ!という肌感みたいなのを乗せて伝えるのが目標です。また、フリスク・コーヒーにお付き合いいただくしかなさそうです。e0046070_114795.jpg

今日は、新ゼミ生の歓迎会があったのですが、なかなか素直でしっかりした学生が多く非常にいい印象を受けました。一人、僕の内定先の一つに関心があるようで機会があれば、また話するかもしれません。正直、まだ2回生なんで、間違っていいから信じた方向にストイックに進んでいくのが一番だと思います。お世話になった先生のコメントですが、

大学生活をスタートさせるにあたって,10年後の目標を大胆に掲げてください。そして目標を実現するために出来ることからアクションをおこしてください。目標は途中でいくらでも軌道修正できます。大事なのはまずゴールを決めて走り始めることです。そうすれば,いつの間にか自分にふさわしい道がひらけていきます。

とあります。また、今日の歓迎会での先生の話も共感できる部分が多く、充実した席になりました。残り一年、後輩が前向きに誠実に大学生活を過ごせるよう、微力ながら協力出来ればなぁと感じました。来年は卒業、もうそういう年です。その前に、もっと自分に厳しくしないといけないわけで、まだまだ課題は多いですが精進します。
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by tsuyoshi_829 | 2006-05-12 01:14