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小さな政府、官の余剰人員をどうするか(経済財政白書より)

「小さな政府」の意味
①政府支出の規模や国民負担の大きさといった財政規模が小さい
②公的規制の強さや公的企業が経済に占める大きさが小さい

①に関しては、一般政府の支出規模や国民負担率という指標がある。
②に関しては、産業関連表から規制ウェイトを出すやり方がある。を載せる。規制の国際比較をする際には、製品市場規制指標というのがある、これはOECDが各国のアンケート結果をもとに作成するもの。日本について、一番規制緩和が進んだのは、企業家に対する規制である。具体的には、許認可のシステム、規則・手続の明示化・簡素化である。

さて、若干はなしが飛ぶが。小さな政府、特に①において、民営化は非常に有効な手段であるのだが、ふと思う、リストラされた人はどうなるのだろう??

興銀などの時代は、公的セクターが非常に強く、興銀は人材排出センターと呼ばれ、野村とともに金融界の人材排出の中心的存在であった。しかし、これからは官から民への流れが加速化していく中で、官と民の人材の違いが大きくなり、官の人材の雇用問題が顕在化する恐れがある。
一つには、官の関与が不要となった分野から行政需要が伸びている分野へと官の中の配置転換を柔軟に行えるような制度を整備することが重要であるが、それと同時に、民で働くことを希望する人材については、民への移転が円滑に行えるよう、官民の間の年金のポータビリティを確保するなどの環境を整備する必要もある。

次回は、NTTを中心にこれまでの民営化を振り返る。P&Gのファイナンスビジネススクールもファイナルステージに来てしまったので、終了後振り返りたい。後期が始まると金融ネタに特化して行く予定である。明日はJBICで働くO川さんとMS銀行で働くO庭さんに会える。もう秋だ、ちょっとの間にみんな少しずつ進んでいる。あせるのは、自分に自信がないからだろうか?







官民競争や外部委託等によって事業主体が民に移る場合、海外では、公務員の雇用は次のように対処されている。
 英国では、政府部門、民間部門にかかわらず、事業移管に際しての雇用者の権利保護を定めたTUPE(Transfer of Undertakings (Protection and Employment)Regulations)が1981年から施行されている。この制度により、公的事業の全体又は一部が民間の雇用主に移管され、公務員が民間企業に移籍した場合でも、それまでの雇用条件(賃金や労働時間等)が維持され、これを制限する協定や同意は基本的に無効とされる。ただし、実際の雇用への対応としては、被雇用者がそのまま新会社に引き継がれるケースばかりではなく、他の職場への配置転換を行ったり、退職し他の民間企業で仕事を探す職員に対して経済的なインセンティブや職業紹介を行う場合もある。
 アメリカでは、政府による民間委託の手続を定めた規則(A-76と呼ばれる)がOMB(行政管理予算局)により通達されている。この中では、職場を失う連邦職員について援助を行うことを規定しており、民間事業者は連邦政府職員に対して転職の打診義務を負う一方、職員は雇用にかかわる拒否権を有するとされている。民間事業者へ移管しなかった職員は、政府内で配置転換される機会を与えられるが、それを拒否した場合には、上乗せされた退職金により早期退職するか、あるいは解雇の対象となる場合もある。ただし、解雇の対象となる場合には、離職手当や失業給付が支給され、職業訓練等の支援を受けるほか、再雇用優先リストに掲載され、従前の省庁に再雇用される機会を待つことも可能となっている。
 オーストラリアでは、外部委託等により影響を受ける公務員の処遇について、清算方式(Clean Break approach)と調整方式(Phased approach)がある。清算方式の場合、民間事業者が従業員として公務員を採用するかどうかは、民間事業者の選択に任され、継続雇用は保証されない。これに対し、調整方式の場合は、事業に携わる公務員の一定割合が民間事業者の従業員として継続雇用される。民間に移管された公務員については、雇用内容は継続的に保証される。再雇用されない職員は、政府内部で配置転換するか、割増し退職金を得て退職することとなる。ただし、実際の運用上は、かなりの割合の職員が民間側の事業者に再雇用されている。

 参考文献:内閣府(2005)「世界経済の潮流2005春」

各国における雇用面での対応

by tsuyoshi_829 | 2005-09-22 01:27  

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