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デフレ脱却

マネタリーベースが伸び続けているものの、デフレを脱却していない時代が続いた。普通に考えれば、お金の総量が増えれば金利が下がって、相対的に物価が上昇するはずであった。しかし、91~95年の度重なる金融緩和がオーバーナイトのコール金利はゼロに近くなり、名目金利の非負制約に直面してしまった。さらに、金利を下げることが出来なくても低いのであれば、銀行貸出が活発化して企業の投資活動(設備投資に代表される)を刺激して、景気回復で徐々にインフレになるはずなのだが、当時98年以降は不良債権問題等に直面した銀行の貸し出し増加率はマイナスを記録し続けた。

以上2点の問題が、デフレ脱却の遅れの最大の要因であることは間違いないと思われる。

一方、ゼロ金利下の金融政策には大きく3つある。

1.将来の金融政策ないし短期金利についての予想のコントロール
  コミットメントにより、将来短期金利の予想値=現在の中長期金利を誘導すること。基本的には、長期金利は現在から将来にかけての短期金利の予想値の平均と何らかのリスク・プレミアムの和に等しいというのが、標準的な長期金利の見方である。

2.特定の資産の大量購入
  BSの規模変えずに、配分を変えるようなイメージ。市場に存在する各資産の比率に影響を与え、その結果、資産価格を動かそうとする政策と考えればよい。オペ対象資産のリスク・プレミアムに影響を与えようという試みである。当然、中央銀行の財務リスクを管理するのは大変である。

3.中央銀行のバランスシートの規模の拡張
  基本的にはマネタリーベースを拡大させる≒短期国債を買いまくる。

以上は、一つ目の問題に対する処方箋である。では、金融システムの資金仲介能力の低下に関してはどのように対応すべきか。本来、政府サイドの役割になるが、長らく出来ていない状況が続いていたので、資本注入に等しいオペは行われてきた。政府サイドの役割と書いたが、「最後の貸し手」の機能はあくまで、流動性の枯渇(流動性プレミアムがべらぼうに上がる)によって倒産することを防ぐ手段であり、倒産したら日銀のB/Sが痛むのでそうそう使える手段ではないことを断っておく。


と話は変わるが、こうした対応含めここ7年で日銀のバランスシートは大きく変化した。
・資産・負債残高の規模が大きく膨張している。
・資産サイドにおいて、長期国債の保有残高が大きく増加している。
・資産サイドに株式や資産担保証券が出てきた。


最後に、今日の朝、嬉しい報せがあった。俺も頑張ろう♪

by tsuyoshi_829 | 2006-02-24 22:35  

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