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日経の一面、

昨日の工場用地の規制緩和に続き、今日は公募増資の審査強化です。

一部記事から抜粋すると、

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日本証券業協会は上場企業の公募増資などについて証券会社の引き受け審査を厳しくするため、15項目の基準を新設し、2007年2月から適用する。過去の利益計画の達成度や適切に情報を開示できているかなどの審査を引受証券会社に義務づける。企業の安易な資金調達に歯止めをかけ、株主や投資家の保護につなげる。

(中略)

新しく定める審査基準の項目は(1)過去に調達した資金がどの程度事業に生かされたか(2)調達資金を利用した事業計画で、将来どの程度の利益を生み出すか(3)有価証券報告書以外にも適切に情報を開示しているか――など。関係会社一覧表など企業側に提出を求める資料や必要な手続きも規則として明記し、証券業界として審査の質の底上げを目指す。
 1992年に定めた現行の審査基準は財務状態や経営成績、調達資金の使途など8項目を掲げているが、例えば調達資金の使途という文言はあっても具体的に何をどう審査するかについては明確な記載がない。運用は証券会社の裁量に負う部分が大きかった。

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四半期の事業別損益の件は良いかどうかは疑問ですが(あの程度だと中途半端な気がするから)、今回の審査基準改訂は株式市場の健全な発展及び投資家保護という観点から認めてよいと思っています。一方で、下線部の厳格化により、資金調達と資金運用がつながることが期待されますが、企業を評価するのに大した効果があるとは思えません。今週勉強したばかりですが、企業の投資案件から発生した損益がその投資案件を目的に実施された資金調達の資金供給者に振り分けられるわけではないからです。

しかし、JALの公募増資のように、飛行機買うとか大嘘をついたり、株主総会が終わってから増資を強行するような会社が出ているのでこうした流れになったのだろうと推測しています。

引受会社の審査の厳格化により調達と運用の矛盾を回避
+運用に関する情報公開を厳しくすることで安易な公募増資を防ぎ、
→投資家のリスク(主に希薄化)を抑えて、
→株式市場の健全な発展を目指す

意図するところはなんとなくわかるのですが、資金調達したお金を調達時に報告した使途に使うかどうかを義務付ける、or、違う使途にしたら罰を与えるというのは超非現実的なので効果は限定的で、JALみたいな明らかな大嘘を防ぐという程度なのでしょう。このあたりは難しいところです。

にしても、ワラント債の有利発行といい公募増資の審査強化といい、ECMに強い逆風が吹いています。ただでさえ、エクイティファイナンス市場自体、●数年に一回くらいのバブリーなとき以外は小規模の案件が多いという特徴があって、2005年後半から06前半にかけてバブルが来たのに・・・、もうしばらく風は吹いてこないのでしょうか?ちょっと興味を持ったので、時間があいたらjournalで調べてみます。

日経の一面、_e0046070_21453044.jpg

図は適当です、ご了承ください。ちなみに最新データを入れると、大きく下降していきます。

by tsuyoshi_829 | 2006-10-26 21:18  

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