ポストバンクに学ぶ郵政民営化

衆議院選挙は自民党の圧勝に終わり、郵政民営化が現実味を帯びてきた。選挙が始まるまではhttp://www.geocities.jp/tanaka_kunitaka/post/を参考にして考えていた。
郵政民営化は、郵便局を通じて集められた資金について、民による経営判断によって民間部門で効率的に使われる仕組みを作るうえで重要であるとともに、約3割の国家公務員が民間人になり、見えない国民負担を減らし(法人税等及び預金保険料等を納めていない)を減らし、さらに政府保有株式の売却で財政に貢献するものである。

さらに、
・インターネットなど通信手段の発達で、郵政公社の収益環境が悪化し、
・競争条件が民間と同じでない、郵貯、簡保が大きく残ると資金の流れが民間に流れず、
・新市場、国際市場の進出にさいし、郵政公社の形態は不便である。
という懸念もある。
郵貯残高は99年から、郵便営業収入と簡保保有契約数は96年から減少傾向で、平成15年度収益の63.2%を占める預託金利息収入は、預託制度廃止後の経過期間が終わる2007年度で失われる。ちなみに預託金利息は国債金利の+20bpである。2001年度の財政投融資改革により、郵便貯金等の財政融資資金への預託制度は廃止されたが、年40~60兆円の預託金の払い戻しをするのに7年の経過措置として、郵便貯金等による財投債の引き受けが行われてる。

これから議論が尽くされるのであろうが、民営化後の可能性をドイツのポストバンクから探ってみたいと思う。

ドイツの郵政民営化では、郵便局網の維持を義務付けてユニバーサルサービスを確保している。民営化後の大きな進歩は、住宅ローンの販売を中心とした融資業務の拡大だ。課題として、買収防衛のために安定株主の確保と株価の引き上げがある。リテールに特化した銀行は資産規模が小さく、時価総額がおおきくない。ちなみに85億ドルで欧州で48番目である。顧客が1200万人いることを考えれば相当小さい。株価上昇のため、金融商品販売の拡大を通して利益水準を上げていく狙いだそうだ。昨年一年で50%上昇した株価がこれからどうなるか。

日本は住宅ローンもあるが、投資信託商品の期待が非常に高い。郵政の窓口販売の第一陣は、GSアセットマネジメント、野村AM、大和證券投資信託委託、の3社になった。リスク商品のノウハウがない郵政職員のため、野村AMは最大35人も派遣するらしい。全国575の郵便局で販売担当者向けに講習する野村AM(社員少ないんだよ)を尊敬したい。独立系の野村は、銀行窓口販売が弱いので郵便局を拠点に投資信託を売っていくらしい。投資信託の銀行窓口販売の威力にはびっくりである。日本株戦略ファンドのような悪しきファンドさえ作らなければ、見込みどおりにさばけると感じている。ちなみに、日本株戦略ファンドについては、http://www.nomura-am.co.jp/fund/monthly1/M1140239.pdfをご参考いただきたい。あんなに減ったら詐欺に近い。



(2003.3時の文章)
http://www.dhl.co.jp/dhl/global_germany.htmlより抜粋

1990
第1次郵政改革で組織改革がスタート: 1990年代におけるドイツポスト・ワールドネットの変革を振り返ると、第1次郵政改革法がいわゆる「ビッグバン」として同社の新時代の幕開けをもたらしたことが明らかです。1989年7月1日施行の「郵便および電気通信制度に関する法律」は、ドイツ連邦郵便に対し、同国の戦後史においてもっとも包括的な組織改革を義務付けました。新設されたドイツ郵政公社は、まだ国営事業であることに変わりないものの、この改革法の実施によって将来の段階的民営化に向けた体制が整ったことになります。
郵便および電気通信事業の民営化は長年の懸案でしたが、1990年1月1日についに実施に移された法規制環境の改革は、劇的なドイツ統一プロセスの前にやや陰の薄いものになりました。ドイツ連邦共和国の郵便事業を抜本的に改革するためには、東ドイツのドイツポストも統合する必要性が生じました。同事業の迅速な経営建直しもさることながら、この大規模な統合作業の成功も、称賛に値するといえるでしょう。1990年に7億2,000万ユーロの純損失が記録されていたにもかかわらず、新生ドイツポストは1995年に採算点を回復すると、その後、年々収益を伸ばし、2001年には15億9,300万ユーロという記録的純益を達成しました。


1995
第2次郵政改革によりドイツポストが誕生: 収益を上げるために民営化が計画され、株式公開が間近に迫るなか、第2次郵政改革において、株式会社としてのドイツポストの設立が定められました。当初の規定では、全株式を連邦政府が保有し、民間への株式公開は徐々に、しかし着実に実行していく方針でした。そして、少なくとも向こう5年間は、連邦政府が株式の50%以上を所有することになりました。
これと並行し、連邦郵便電気通信省が設置されました。その目的は、ドイツ連邦郵便を引き継いだドイツポスト、ドイツポストバンク、ドイツテレコムの株式会社3社に対する政府持分を管理するとともに、監督調整機能を果たすことにあります。第2次改革法により、郵便市場のいっそうの自由化に向けドイツポストの態勢が整えられ、新たな公務員を任命する伝統が廃止されるとともに、ドイツにおけるユニバーサル郵便サービスの継続がドイツポストに義務付けられました。


1996
インフラの近代化: 最先端ロジスティクステクノロジーへの大規模投資により、郵便や小荷物をドイツ全域に、より迅速に配達できるようになりました。ドイツポストは33カ所の荷物仕分けセンターにおける作業の再編と近代化により、配達プロセスの大幅なスピードアップを達成したのです。もう一つの計画である、郵便物仕分けセンターのインフラ近代化のための包括的投資も1998年に最終承認され、83カ所のハイテクセンターからなるネットワークが形成されました。高度な自動化と標準化により、サービスの品質と生産性の向上が実現したのです。

1997
ドイツポストがグローバル化を進めた理由: 国内におけるグループの再構築を成功裏に完了したドイツポストは、国外にも目を向けました。国内外の輸送業務を一手に任せられる業者に対する企業ニーズが高まるなか、事業活動のグローバル化が求められていたのです。ドイツポストの戦略は、標的を定めた買収、投資、提携契約を通じて国際的地位を確立し、統合的サービスの提供を通じて市場シェアを着実に拡大するというものでした。またグローバル化には、物流サービスの世界最大手を目指すドイツポストの長期ビジョン実現に向けた徹底的した戦略を追求する、という意味合いも込められていました。この年の12月に新郵便法が成立したことにより、競争が2段階で導入され、ヨーロッパの郵便市場においてドイツは自由化の先頭に立つことになりました。

1998
グローバル化の本格的推進: 国営事業から市場指向のグローバル企業への脱皮を急ぐドイツポストの変革は、この年、新たな段階に突入しました。クラウス・ツムヴィンケル会長の指揮のもと、組織改革を実現したグループは、次のステップとして新たな買収や提携への投資を大幅に拡大しました。その狙いは、ヨーロッパにおいてエクスプレスサービスの事業基盤を確立し、グローバル化のペースを加速させることでした。
ドイツポストは、自社の成長と欧州主要企業への投資を並行させながら、ヨーロッパ全域で包括的なエクスプレスサービスの提供に乗り出しました。この年の終わりには、ユーロエクスプレスというブランドでヨーロッパを網羅する配送ネットワークが完成しました。このネットワークの構築は、まさにサクセスストーリーとなりました。その理由は、ドイツポストが自身の強みだけに頼らず、提携企業や子会社が持つ、その地域のコアコンピタンスやその国独自のノウハウを活用したことにありました。こうした企業は現在ではヨーロッパ20カ国以上に及んでいます。国際的ソリューションに対する顧客ニーズにユーロエクスプレスを通じて単独で応えることにより、ドイツポストは明確な競争優位を獲得しました。ユーロエクスプレス事業の立ち上げから数年後、ヨーロッパの企業顧客向けエクスプレス市場の主導的地位を確立する、というドイツポストの目標は達成されました。

もう1つの大きな目標は、エアエクスプレス(国際宅配便)サービス市場に足場を築き、強固で収益性の高いエクスプレス事業部門を総合的な事業基盤の一環として確立することでした。エクスプレス会社DHLインターナショナルの株式の25%を買収することは、まさにこの戦略に沿うものでした。エアエクスプレスサービスの世界市場リーダーとの提携は、ヨーロッパ最大の郵便会社が、サービスの内容と提供範囲の大幅な拡大に努めている証といえます。

また郵便部門では、やはりグローバル化を大きく前進させる動きとして、国際郵便サービスを手がける米国の民間最大手、グローバルメールの買収が実行されました。この業績好調な会社の買収は、国際郵便サービスに対する需要増大を視野に入れたものであり、ドイツポストは発展を続ける北米郵便市場へのアクセスを手に入れたことになります。

1999
世界規模での物流サービス: ドイツポストは、スイスの物流会社ダンザスおよび米国最大手の国際航空貨物会社エアエクスプレス・インターナショナル(AEI)の買収という、グローバル化に新たな局面を開く動きにより、再び広範な注目を集めました。1815年に設立され、世界有数の物流会社として定評のあるダンザスグループは、当時で従業員約29,000名を擁し、世界の全大陸に強力な物流ネットワークを確立していました。包括的な商品構成と円滑な物流サービスの世界的提供を目指すドイツポストにとって、3つの事業部を通じて多様な輸送ニーズに応えるダンザス社は買収対象として理想的でした。AEIの買収も同様で、世界135カ国に支店網をもつAEIは、統合的物流サービスや複合運送に加え、倉庫業、流通、通関業務、ITを駆使した物流サービスを提供していました。このAEIをダンザス社の大陸間事業部に吸収して総合的サービスプロバイダーを誕生させたことで、ドイツポストは緻密な輸送ネットワークを手に入れたばかりか、幅広い付加価値サービスの提供も可能になったのです。
1998年12月、連邦政府が所有していたドイツポストバンクの株式がドイツポストに売却されました。翌1999年1月1日をもって発効したこの買収は、販売戦略統一の基礎となりました。ポストバンクは、多様な金融サービスの提供を通じて、グループの強力な柱となっています。

ダンザス、AEI、グローバルメール、ポストバンクに代表される企業買収、ユーロエクスプレス配送ネットワークの立上げ、DHLとの提携といった策を駆使して事業基盤を大幅に拡大したドイツポストは、この時点ですでにグローバルな事業展開を行うまでになっていました。郵便、エクスプレス、ロジスティクス、金融という4つの事業部門を通じて市場での戦略的地位が確立され、その歴史で初めて円滑かつ統合的な物流サービスを世界に提供することが可能になったのです。

2000
株式公開: 2000年11月20日、ドイツポストはいよいよ株式公開に踏み切りました。この年、ドイツ国内で最大規模を誇り、世界的にも3番目となったこの株式公開は大成功を収めました。ドイツポストの株式の29%が販売された後、DHLへの出資額が増加したことで、翌2001年1月にさらに2%上乗せされました。売り出された株式に8倍もの応募が殺到した事実は、ドイツポストの戦略が投資家と資本市場の両方から高い評価を得たことを物語るものといえるでしょう。応募者の中には社員も多数含まれ、国内の従業員約14万5,000名の購入額は全体の6%超、金額にして実に4億ユーロに達しました。
この株式公開をもって、国営企業を民営化する作業が一応完結することとなりました。株式公開成功の素地は、ドイツポストが経営建て直しによって成長指向のグローバル企業へと変身を遂げた、それまでの何年かの間に、すでに築かれていたといえます。ドイツポストの正式名称が、株式公開の準備段階で「ドイツポスト・ワールドネット」へと変更された背景には、こうした企業戦略の転換があったのです。

この年、ドイツポストバンクとDSLバンクの合併も完了し、両行が互いに補完し合う体制が確立されました。DSLバンクは個人および企業向けの建築融資や有価証券の公募の分野に広範なノウハウを有するのに対し、リテール銀行であるポストバンクは合併に際して約1,000万の顧客を提供しました。また、ポストバンクはDSLバンクとの協力を通じて企業顧客基盤の強化を図り、バリューチェーン全体にわたって、顧客の物流プロジェクトに対する多様なファイナンシングソリューションの提供を実現させました。

ポストバンクは、オンラインおよびテレフォンバンキング分野の市場リーダーに成長するとともに、ドイツ最大の貯蓄銀行としての地位を確立しています。ドイツポストの小売部門が、ドイツで最も緊密な銀行支店網をポストバンクに提供しているのです。

ドイツポスト・ワールドネットがボンに建設した新本社ビル「ポスト・タワー」の定礎式は、まさにグループの力を象徴するものでした。2002年末の完成を目指して開始された工事は、この規模の建築プロジェクトにしては珍しく、ほぼスケジュール通りに終了しました。この年のクリスマスの少し前、グループの社員およそ2,000名が、ライン河畔にそびえ立つ高さ162メートルの新社屋への移転を完了しました。


2001~2002
DHL株式の過半数を取得: 2001年6月27日、ドイツポストは株式公開後初の定例株主総会をKolnarenaで開催しました。ツムヴィンケル会長は集まった約6,000名の株主を前に、世界の物流市場のリーダーを目指してグループを着実に発展させていく決意を改めて表明しました。
1998年における一部株式の買収で始まったDHLインターナショナルとの提携関係は、2000年に強化・拡大され、交渉により2002年1月1日をもってドイツポスト・ワールドネットが51%という過半数の株式を取得することが認められました。さらに2002年7月、ルフトハンザ貨物航空が保有していたDHLの株式25%分を譲り受け、持分を75%へと拡大しました。DHLワールドワイドエクスプレスは、この時点で、全世界に71,000名を超える社員を擁していました。エアエクスプレス(国際宅配便)のパイオニアとして、その国際ネットワークは世界220カ国余り、63万5,000都市を結んでいます。そして2002年12月、ドイツポストが2つの投資信託および日本航空からDHLの残りの株式を買い取ったことで、DHLはドイツポスト・ワールドネットの完全子会社となりました。

2003
サービス範囲の拡大: ドイツポスト・ワールドネットは、ごく短期間で郵便、エクスプレス、ロジスティクス、金融の統合的サービスを全世界で提供する多国籍グループとして再出発を果たすことができました。その従業員数の推移は、まだ国有の郵便会社だった1990年当時、ドイツに38万の社員を抱えていたドイツポストの大変革を物語っています。1996年末、主として職場における補償をともなう人員削減の結果、社員数は28万5,000名まで減少しました。それ以後は、事業の拡大ととりわけ相次ぐ大型買収により、ドイツポスト・ワールドネットの社員数は世界トップレベルへと拡大しました。2001年末時点では、DHL、ダンザス、ポストバンクの社員を含まないドイツポストの社員だけで23万5,000名を数えました。グループ全体でみると、38万名余りの社員が全世界で500万もの顧客企業に奉仕しています。
かつては国家による郵便配達事業に限られていたサービスも、現在でははるかに多様な内容に様変わりしました。まず、ドイツポスト・ワールドネットはエクスプレスおよびロジスティクス市場におけるプレゼンスを大幅に拡大し、今日ではこの種のサービスをどこよりも幅広く提供しています。さらに、そのグローバル・サービスは、包括的な付加価値サービスを含め、物流チェーン全体をカバーしています。

グループの新しいブランドアーキテクチャーは、ドイツポスト、DHL、ポストバンクで構成され、これら3つの中核ブランドがあらゆるサービスを担います。エクスプレスとロジスティクスの統合的サービスを、お客様に幅広く提供することを目指すドイツポスト・ワールドネットは、徹底的な再構築計画に着手しました。DHLは将来、エクスプレスおよびロジスティクス業務をグループ内で一手に引き受けるブランドとして機能するようになるでしょう。これにより、グループの国内および国外の小荷物およびエクスプレス事業ならびにロジスティクス事業が一本化される予定です。「単一ブランドによるお客様窓口の一本化」というモットーは、ドイツポスト・ワールドネットが目指す組織的なワンストップ・ショッピング手法を表したものです。2005年までに純益40%増という目標の達成とともに、お客様のための徹底したサービス改善と、コストと収益両面での大きな相乗効果が期待されます。ドイツポスト・ワールドネットが取り組むブランド再構築と全社的再構築計画は、ともに世界最大の物流会社を以前にも増して強く目指すというグループの決意を表明するものに他なりません。
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by tsuyoshi_829 | 2005-09-14 14:58  

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